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Productカネカ核酸クロマトシリーズ(MABC)

【研究用試薬】肺アブセッサス症検査製品
KANEKA DNA Chromatography MABC/erm(41)

菌懸濁液または菌培養液からMycobacterium abscessus complex の 3亜種と、erm(41)に関する 2種類の 遺伝子型を同定

MABCとは...

M. abscessus complex (MABC)は迅速発育抗酸菌に分類される一群であり、土壌や水道水などの常在菌です。
abscessus」, 「bolletii」, 「massiliense」の3亜種から構成され、難治性の非結核性抗酸菌症であるMABC症の原因菌です。
MABC症は増加傾向にありますが、有効な抗菌薬が少なく、患者予後は良くないことが知られています。
近年の研究で、亜種間で予後に差があること、erm多型が薬剤感受性に関与することがわかってきました。

本キットの特徴

  • abscessus」, 「bolletii」, 「massiliense」の亜種判別が可能
  • erm(41)遺伝子型判別機能により、クラリスロマイシン感受性の推定が可能
  • 国内で臨床分離された株(計147株)を用いて性能を確認
  • MABC検査キットとゲノム情報による鑑別結果の一致率は、99.7%

使用方法

増菌培養

固形培地または液体培地で培養を行った培養物の懸濁液または培養液を検体として使用できます。

<検体例>

  • McFarland No. 1相当(108 cfu/ml程度)の液体培地
  • 培養陽性となった液体培地
  • コロニーを滅菌蒸留水にてMcFarland No. 1相当となるよう調製した菌懸濁液

核酸抽出

「KANEKA Microbial DNA Extraction Reagent(別売)※1」を使用します。
※1 Solution AとSolution Bが含まれています

<液体培地の場合>

  1. McFarland No. 1相当または培養陽性となった液体培地20 µLをマイクロチューブに移し、KANEKA Microbial DNA Extraction Reagent の Solution A 20 µLと混合後ヒートブロック等にて98℃で10分間加熱する。
  2. 室温まで冷却後、KANEKA Microbial DNA Extraction Reagent の Solution B 80 µLを添加し、混合する。

<コロニーの場合>

  1. コロニーを滅菌蒸留水に懸濁し※2、McFarland No. 1相当となるように調製する。
    ※2 固形培地を一緒に掻き取らないように採取してください (PCRが阻害される可能性がございます)。
  2. 菌懸濁液20 µLをマイクロチューブに移し、KANEKA Microbial DNA Extraction Reagent の Solution A 20 µLと混合後、ヒートブロック等で98℃10分間加熱する。
  3. 室温まで冷却後、KANEKA Microbial DNA Extraction Reagent の Solution B 80 µLを添加し、混合する。

PCR増幅

<PCR反応液の調製>

  1. PCR Mix と Primer Mix を予め解凍する。注1)
  2. PCRチューブ内で、下記の3液を混合する。注2)

PCR Mix

10μL

Primer Mix

5μL

DNA抽出液

5μL

(合計)

20μL

注1)PCR Mix および Primer Mix は、分注前に十分に混合してください。特に PCR Mix は融解後に白色の沈殿を認める場合がございますが、完全に溶解してご使用ください。
注2)調製後、酵素の失活や非特異的な増幅反応を防ぐため、氷上など温度が上がらない場所においてください。

<PCR増幅>

PCR反応液の入ったPCRチューブをPCR装置にセットし、指定のプログラムを実行する。

【PCR 反応条件】

注)PCR反応条件が迅速発育抗酸菌同定キットと異なります。

クロマト 検出

  1. Results Card に Test Strip をセットする(任意)。
  2. PCR後の反応液5 μL を Test Strip のサンプルパッド部に滴下する。
  3. Detection Buffer 70 µL を同様にサンプルパッド部に添加する。
  4. 10分後にライン着色有無を目視で判定する。(下表参照)

■ 当製品はrrl変異を検出しませんので、T28C株やM. massilienseが検出された場合でも、rrl変異を有する株はマクロライド耐性である可能性がございます(rrl変異である確率は治療歴の有無が影響すると考えられます)。
■ 当製品は専用の前処理試薬「KANEKA Microbial DNA Extraction Reagent」をご利用ください。

核酸クロマト検出原理

核酸クロマトとは、特殊プライマーを用いて合成されたPCR産物を、テストストリップにて検出する方法です。
5'末端側に一本鎖DNAタグを有し、3'末端側に標的特異的に結合するプライマー領域を有する特殊プライマーを用います。
タグとプライマーは修飾部位を介して連結されており、この特殊プライマーを用いてPCRを行うと、修飾部位にて反応が停止するため、両末端に一本鎖DNAタグを有するPCR産物が得られます。
タグ付加PCR産物をテストストリップに展開すると、クロマト上でPCR産物と検出用の遺伝子プローブがハイブリットを形成し、テストストリップのライン着色として目視検出可能となります。

製品情報

PCRミックス、プライマーミックス、展開バッファー、テストストリップに加えて、判定ラインの読み取り間違いを防止するための「判定補助台紙」が付属

製品コード

KN-T10C815

製品名

KANEKA DNA Chromatography MABC/erm(41)

検出項目

M. abscessus subsp. abscessus 【M. abscessus】
M. abscessus
subsp. bolletii 【M. bolletii】
M. abscessus
subsp. massiliense 【M. massiliense】
erm(41) full-length
erm(41) T28C

包装単位(テスト数)

20

保管温度

・Test Strip :2℃~30℃
・Detection Buffer、Results Card:2℃~30℃
・PCR Mix※3:冷凍(-20℃以下)
・Primer Mix:冷凍(-20℃以下)
※3. 耐熱性 DNA Polymerase、dNTPs、dUTP、UNG(Uracil DNA Glycosylase)を含みます。

使用期限

製造日より1年

推奨PCR装置(サーマルサイクラー)

LifeECO(ライフエコ)

  • 製品名:LifeECO(ライフエコ)
  • メーカー名:Hangzhou Bioer Techonology社
  • 代理店:日本ジェネティクス
  • 希望小売価格:460,000円

その他のPCR装置/リアルタイムPCR装置

機種名
Ramp Rate [簡易試験時]
備考
機種名

ProFlex™ PCR System (Applied Biosystems社)

Ramp Rate [簡易試験時]

default 設定 (6.0℃/s)

備考
機種名

GeneAmp🄬 PCR system 9700 (Applied Biosystems社)

Ramp Rate [簡易試験時]

default 設定 (100%)

備考
機種名

TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice® Gradient(タカラバイオ株式会社)

Ramp Rate [簡易試験時]

default設定 (mode:1)

備考
機種名

TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice® Touch(タカラバイオ株式会社)

Ramp Rate [簡易試験時]

default設定 (2.5℃/s)

備考
機種名

Applied Biosystems™ QuantStudio™ 3 リアルタイム PCR システム (Thermo Fisher Scientific)

Ramp Rate [簡易試験時]

default設定 (1.6℃/s)

備考
機種名

LightCycler🄬96 システム(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)

Ramp Rate [簡易試験時]

default設定
(昇温4.4℃/s、降温2.2℃/s)

備考

当該機種を用いる場合、PCR条件のアニーリング温度を63℃に設定してください。
また当該機種では、25℃の設定が不可のため、UNG反応温度を37℃に変更して実施してください。

機種名

CronoSTAR™ 96 Real-Time PCR System(タカラバイオ株式会社)

Ramp Rate [簡易試験時]

default設定 (2.0℃/s)

備考

※ウェブサイト上に記載されている他社の商品名および製品名は、それぞれ他社の商標または登録商標です。